緋乃白(湯冷めラジオ) うつくしい島 与那国島 「鼻先をくっつけてくる子馬、吹き抜ける風、遠くに聞こえる波の打つ音」
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- 9月8日
- 読了時間: 3分

自己紹介をお願いします。
湯冷めラジオというバンドで歌っています、緋乃白です。
直近のリリースについて教えて下さい。
疾走感あふれるロックナンバーに仕上がりました。アートワークはイラストレーターの井筒啓之さんに手がけていただいています。絵画において額縁も作品の一部であるように、音楽にとってジャケットもまた、楽曲の世界観を彩る大切な表現の一つだと思っています。ぜひあわせてチェックしていただけたら嬉しいです。
緋乃白さんが旅をして、また行きたいと思った場所について教えてください。
与那国島です。島の東端、東崎周辺には自然環境保全地域、東牧場があり、ここでは与那国馬の群れがなんとほぼ野生状態(!)で暮らしています。目線を合わせると鼻先をくっつけてくる子馬に心癒され、吹き抜ける風の心地よさ、遠くに聞こえる波の打つ音に、身体中の余計なものが洗い流されるような感覚でした。

多くの旅先では、「ここにはこんな良いところがあってね」と、地元の方々があたたかく迎えてくれます。でも与那国島では、「なんでこんなところに来たの?」「何にもないよ」なんて言われたりします(笑)けれど、そんな肩の力の抜けた距離感も、この場所がとても心地よかった理由の一つかもしれません。この地球の片隅で、端っこの島で、自分や馬たちが、無に近いような、限りなく小さな存在でありながら、確かに「ここにいる」と感じられる。唯一無二の、うつくしい島でした。

「この人に会えてなかったら今の自分はいない」と思える人を教えてください。
カナダに留学した際、一人の中国人と出会いました。私はそれまでなぜか中国に対してあ まり良い印象を持っていませんでした。テレビ等、マスコミの報道する中国に影響を受けていたのだと 思います。住む国も、文化も、話す言葉も違う人が国を超えて同じ映画を観ていること、同じ話題で盛 り上がれることに感動し、そしてその時初めて目の前にいる一人の中国人が自分と何も変わらない一人の人間なのだと分かりました。自分の中に無意識の「差別」「嫌悪感」があることに気づき、落ち込み、そのことを心の底から恥じました。
大きな枠組みで、国や誰かの事を嫌いになってしまうというのは悲しい。「中国人」という名前の人なんて一人もおらず、 「外国人」という名を持つ人もいない。尊いその人がいる。肌の色、宗教、話す言語、性別、そういったものを飛び越えて、私たちは一人一人、大事な誰かがいる「同じ人間」なのだということを想像していかなければならない、と強く思っています。そう思わせてくれなのは間違いなく、この友人です。この友人なしじゃわたしの人生はありえなかった。
この人がただ健康にしあわせに今日を生きられますようにと願えるような、そして、そのことが自分が今日を生きていく励ましになるんだと実感できるような人と、たとえその人のいちばん傍にはいられなくても、出会える時があります。それは人生の尾根まで照らす光となって自分を支えてくれます。そのことはものすごく美しくて、切なくて、驚くべきことです。
私はわたしにできることを粛々と地道に続けていきたいです。続けることそれ自体がむずかしくて折れそうにもなるけど、信じたいです、いろんなことを。
今後の目標などがあれば教えて下さい。
今年の3月に初の中国ツアーを行いました。次回は規模を広げ、今回は訪れることができなかった地域にも訪れたいです。
緋乃白
湯冷めラジオ







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