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リチカ 左藤優希「すきなひとと 背もたれのないベンチ 最初は寄りかかれないからハズレだと思ったけれど、寝転がれて空が見えたからふたりでながめた。」

更新日:8月30日

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自己紹介をお願いします。


東京都の2人組バンド・リチカ で作詞作曲とうたをうたっている左藤優希です。



音楽を始めたきっかけがあれば、教えてください。


軽音楽部に入ったことがきっかけです。うたうことがすきで、なんとなく、うたうだけで部活動をしたことになるならいいなあとおもって。



直近のリリースについて教えて下さい。


『disease』という曲を4月にリリースしました。



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この曲はリチカのなかで唯一、Gt.Keyの金子くんが作詞作曲を担当した曲です。個人的に気にいっているのはアウトロ。ギターサウンドが渋くてかっこいい。金子くんはいつもたのしそうにRECしているから、見ていてうれしい。



左藤さんの人生を変えた1枚の音楽アルバムがあれば教えてください。


yubioriというバンドの『yubiori』というアルバム。


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そもそもyubioriは、2024年の「下北沢にて」というフェスで知りました。yubioriの前に出ていた滝音というお笑いコンビがすきで、それを見たついでに会場に残っていただけだったのですが、本当に衝撃で、気がついたら涙があふれて止まりませんでした。彼らの音楽やライブをどう形容したらいいかいつも悩みます。生活のことを忘れさせてくれるのだけれど、終わったあとで、なんとなく日常がいとしく感じる。

つらさ、せつなさ、いとおしさ。その全てを突き放すんじゃなくて、苦しくなるくらい抱きしめるような音楽です。ライブのときの、その空気がひとつになる感覚にはいつも圧倒されます。毎日、来る朝にそれぞれの絶望を抱いているであろう人間が集い、拳を上げて「生活に乾杯」と咆哮する空間は凄まじいです。そのライブを思い出させてくれるアルバムが、『yubiori』です。あのライブに居合わせてから、なんとなく自分にとって音楽がどういう存在なのか見えたようなきがする。



左藤さんが「"時間を止めたい"と思った瞬間」があれば教えてください。


すきなひとと、夜に公園のベンチでふたりで空を見たとき。


何時間も散歩をして、疲れたからたまたま見つけたベンチに座った。背もたれのない正方形で、最初は寄りかかれないからハズレだと思ったけれど、寝転がれて空が見えたからふたりでながめた。すきなひとは星を見るのがすきらしいけれど、その日はくもりであまり見えなかった。夜の空にも晴れやくもりがあることを知った日のこと、ずっと覚えているなあってふと思いだす。小学生くらいだったとおもう。


星が見えたらよかったね、とふたりで言い合った。わたしはひとつだけ見えた。すきなひとはもうすこし見えていたみたい。すきなひとは大学院というところで星の研究をしているらしい。


いつかひとが住める星が見つかったら、ふたりでそこに行って、ふたりきりで生きられたらいいとおもう?わたしは、いつまでもこの地球で数多いる人間のなかからきみを選びつづけたい。ふたりでいることが単なる状況ではなくて意志であり続けるこの地球で、ずっといっしょにいられたらいい。


ほんのすこし吹く風は、ほんのすこし夏のにおいだとおもった。夏のにおいってなんだろう。今年の夏は、きみのにおいのことなきがする。



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リチカ


 
 
 

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